1月20日に実施された勉強会は、話し方教室修了生が10人。過半数に達していました。
この勉強会のレポート&感想を頂いたのでそれを掲載します。(文:山添智成氏)
「成功する企業家の条件とベンチャ−キャピタル(VC)の利用法」講演会に参加して
去る1月20日に上記タイトルの講演会に出席した際の私の個人的な意見を「投資」と「経営者」
という2つの観点からまとめてみましたのでご一読ください。
T.「投資」に関する定義
・ 利益を得る目的で事業等に資金を出すこと。
・ 比ゆ的に将来の目的の為に多額の金額を投入すること
と定義しております。
上記の定義からいわゆる「ギャンブル(投機)」と「投資」の違いを僕なりに解説すると両者とも“利益を得る目的で”という部分についてはほぼ共通するものであると思われるのですが、ギャンブルの目的が後者の要素がかなり薄くなってくるという点で投資とは異なるものと考えることができるでしょう。ただ投資の最終意思決定の段階においてはどうしても理論的に説明できない、投資家個人の「感性」というものが最後には必要となってくるように思います。この講演会の中でもVCの投資先への最終判断基準として「経営者8割・運2割」ということが言われていましたので、比較的高い次元のレベルにおいても不確定要素についてはギャンブル的な側面があるのは否めないのかもしれません。また個人により投資スタイルというものは異なりますので、どれがBESTといえるものはないと思っています。まさに「強い奴が勝つのではなく勝った奴が強い」という、ある面わかりやすい世界でもあると思います。強い奴というのは勝つ確率が普通の人間より高いだけであり必ずしも必要不可欠な要素ではないと言えるのかもしれません。
また、投資のもう一つの側面として「自分にない能力を他人に委託する」ということが挙げられる
でしょう。自分には少し金があってなにかやりたいけど、ノ−ハウがない、また逆にノ−ハウはあるんだけど金がないという人間がいたとすると、金のある人間がノ−ハウのある人間に金を出し、
その利益の配分を受けるということをすればお互いの不足するものを補完しあう形となります。
株式投資の本来の姿はここにあります。株式投資がマネ−ゲ−ムの側面があるのは確かですが、その部分を否定する気は毛頭ありませんし、逆にそういう思惑をもったものが株式市場に参加することにより市場が活性化しているのは紛れもない事実だからです。ただ多少、見方を変えてこのような考え方もあるということをすれば違った面から株式投資が楽しめるのではないかと思っています。
U.事業における「経営者」の重要性
講演のなかでVCが投資するにあたって「経営者」というものを非常に重要視していることが再三いわれていました。前章でも経営者8割ということを言いましたが、いかに「経営者」によりその企業の進んで行く方向が異なってしまうかを言いたいのだと思います。
VCが投資をしたくない企業として「経営者が信頼できない企業」ということを言っていました。
また、信頼できる経営者の要素として@話の筋が通っていることA見得を張らないこと という2つを挙げていました。2つとも経営者というより“一人間個人”としての要素と言い換えてもいいかと思われます。経営者も「経営者」である前に「人間」である以上その人間性というものが
重要であるということなのでしょう。私が尊敬する人物に居酒屋「和民」等を経営しているワタミフ−ドサ−ビス(銘柄CODE7522)の渡辺美樹社長という方がおります。「青年社長」という小説の主人公になっていますし、TV等にもよく出演していますのでご存知の方も多いかも知れません。私はこの会社の株主でもありますので、昨年の6月に同社の株主総会に出席しました。
同社が偉いと思うのは、他の上場会社が株主総会を6月の最終週の平日に集中的に設定するというのが一般的なのに対して土曜日の午後という一般株主が出席しやすい日時を設定していることです。
当日は千葉の浦安にあるホ-ルで確か3千人ほどの株主を集めて開催されたと思うのですが、ちょっとした人気歌手のコンサ−ト並みの雰囲気のなかで行われました。会が始まるとかなり一般株主から質問が出たのですが、渡辺社長は臆することなく堂々と受け答えしているのに、僕は感動を覚えたものです。質問の内容も本来、彼のマタ−ではないと思われるものについても正面から受けて、受け答えしていたと記憶しています。彼の事業に対する情熱が伝わってきた素晴らしい株主総会であったと思っています。話が横道にそれましたが、事業を始める者の必要不可欠な要素は「情熱」という非常に人間臭い物なのかもしれませんね。
この講演会の中で「事業計画書」というものを説明していましたが、これは「ラブレタ−に似ている」というようなことを言っていました。VCの投資判断担当者がこの「事業計画書」を見て経営者の思いが伝わってこないと、ろくに見もしないで捨ててしまう、ということを言っていました。また「事業計画書」すら出来ない会社は投資にすら値しない、ということも言っていました。逆にいえば事業に対する情熱があれば「事業計画書」くらいできるものなのだろうということなのかもしれません。事業をする、しないということに係わらず人間が生きていくうえで大切なことは「情熱」ということなのかもしれません。哲学的な話になってしまいましたが、このようなことを感じました。
最後にこれは僕の会社の実質親会社にあたる会社の経営者が言っていた「リ−ダ−とマネ−ジャ−の違い」、及び「リ−ダ−になるには」という一節を紹介して終わりにしたいと思います。
マネ−ジャ− リ−ダ−
1. 今ある状況に対して受身(維持) 新しい状況を創り出そうとする(革新)
2. 人をコントロ−ルする 人の心に火を灯す
3. 体制や機構を重視する 人を重視する
4. どうやるかを考える 何をやるかを考える
5. 効率を重視 効果を重視(利益)
リ−ダ−になるには
1. 実績をつくること
2. a 専門的能力をもつこと
bマネジメント能力をもつこと
c 人間的能力(人間性・人格)が優れていること
以上3つを総称して「権威」と呼ぶ
上記cについては下記のような人間であることと言っております。
・物事に肯定的な人間であること ・向上心の強い人間であること ・感性のある人間であること
・責任は自分で負う人間であること ・健康であること ・聞き上手な人間であること
以上
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講演会のお誘い
「東京話し方教室外伝」読者の皆さん、こんにちは。12期生の村中です。
実は私がスタッフとして関わっている異業種交流会で、定期的に勉強会を開催しています。
前回は10月「直接金融市場革命 グリーンシート市場の現状と将来」の講演会を実施いたしました。
ご参加いただいた方、ありがとうございました。
第2回というわけではないですが、1月20日に講演会を予定しております。
題して「成功する起業家の条件」
この講演会で「成功するベンチャー企業の見分け方」をものにしましょう。
◆見所
実際に投資家(VC)の立場で数多くのベンチャー企業を見てきた講師が、実体験と
して成功した企業(=株式公開した企業)と失敗した企業(=倒産)を分けたポイン
トについての話をする予定です。
◆役立つことが期待できる点
・株式投資時のファンダメンタルのとらえ方が
・転職先の企業の将来性を見分け方が
・起業予定の人には、将来ビジョンの描き方が
・意志決定層の方には、経営計画のたてかたが
・財務部門の方には、資金調達方法の1つが
それぞれ、参考になるかと思われます。
【日 時 】1月20日(木)19:00〜21:00
【主 催 】アスコム
【場 所 】大崎労政会館@山手線大崎駅5分(地図)
【テーマ 】「成功する起業家の条件」
ジャフコにて情報通信系の投資に携わり、最短3年半で
77億のキャピタルゲインを得るなどの実績を持つ菊池
氏が、成功する起業家を見分けるポイント、資金調達が
成功するための事業計画の作成のポイント、ベンチャー
キャピタルの正しい利用法などのトピックについて、
事例を交えたお話をしてくださいます。
【講 師 】株式会社ブレークスルー 代表取締役
菊地春市朗 氏
1969年福島県生まれ。1992年ジャフコ入社、情報通信系
の企業を主な対象とした投資活動に従事。その後、
インターネット総研を経て独立。
【参加費 】\1000(会員は無料)
◆お申し込み方法◆
村中まで「行きたい」とご一報下さい。
→ mrnk@xa2.so-net.ne.jp