U 教室レポート(東京話し方教室)2005

東京話し方教室外伝

2004年記事
目次付き

18  企画の勝利 (模擬披露宴レポート)

5月21日、教室第11回目「模擬披露宴」が行われました。その様子をレポートします。

進行

タイム プログラム 配役・備考
新郎新婦入場 式服で入場
●司会  秋山さん 加瀬氏
約30分 新郎主賓挨拶 ●新郎上司 中山氏
新婦主賓挨拶 ●新婦上司 四谷さん
ウェディングケーキ入刀 二人が力を合わせて行う、門出の儀式
●新郎新婦
乾杯 ●新婦の小学校時代の恩師 池本
約35分 祝宴
(中座・お色直し・お客様食事)
祝電披露(from若松さん)
●司会 野口氏 宮本さん
約15分 新郎新婦入場

キャンドルサービス
お客様のテーブルに二人でキャンドルをともしながら、ご挨拶
最後に正面のメインキャンドルに二人で点火
●新郎新婦
友人スピーチ ●新郎友人代表 中本氏
●新婦友人代表 渡瀬さん
約10分 祝辞・余興 ●新郎親戚 島谷氏
●新郎兄弟 根本さん
●新婦の幼なじみ 山根さん
約15分 新婦手紙朗読 新婦から父母への手紙
●早川さん
花束贈呈 ●新婦から義父へ、新郎から義父へ
謝辞 両家代表として通常新郎お父様、新郎がお客様にお礼のご挨拶
●親族代表 長田氏 ●新郎 田口氏
おひらき・送賓 ●万歳三唱 新郎の社長 山田氏
新郎新婦・ご媒酌人ご夫妻・両家ご両親がお見送り




































注目の中、新郎新婦入場から宴は始まります。新郎新婦入場
主賓、新郎上司(社長)、新婦上司がそれぞれを紹介の後、
ケーキ入刀(シャッターチャンス)
このケーキは新婦が作ったもの。
2ヶ月前「ケーキつくりが好き」とスピーチし、その後作ってふるまってくれたことがある。

そして、乾杯(普段私はアルコールを飲まないのだけど、一杯飲んでしまった。その後は顔が真っ赤だと皆から指摘された)

(司会、後半担当にバトンタッチ)
司会、野口氏 掛け声一発で耳が特大に・・・(スポンジ?で出来た大きな耳をマジック風披露した)
これがギャグ風で大笑いの渦が・・・

祝辞・・・
今回出席できなかった若松さん、「ノルウェイから幸せを祈る」と(ノルウェイにあこがれていたとは・・・・)

泉谷茂から
「こないだは殴って悪かった」(新郎宛)
※前回スピーチで「泉谷茂のライブで真ん中最前列にいた新郎役田口氏は、”盛り上がりが少ない”と殴られた。普通なら起こるところだけど、有名人に殴られた、と逆に自慢話にしている。」とあり、それが前提になっている。

またまた、ドッと大笑い。


友人スピーチで新郎・新婦の人柄や出会いの経緯が披露されていきます。
「我々の下馬評では、新郎・田口は、嫁さんをもらえるランキングはワースト5(笑)。悪い男、と言うわけではないが、何しろ奥手で・・・・。」
「その奥手な新郎は、芳乃さんを誘うために、ボーリング大会を企画した。その企みは見事に当たって、彼女としたしくなりました。・・・そして、料理が苦手なことをPR(彼女が得意であることを知っていた)。飯の炊き方を教えてもらったりして、彼女との距離を近づけていったのです

「私は料理が大の苦手で、新婦の芳乃ちゃんに教えてもらいました。でも、砂糖と塩を間違ったりしてとても食べれたものじゃなかった。でも、芳乃ちゃんは生クリームをたくさん塗って、”こうすれば食べれるから(^^)”なんて励ましてくれた。・・・・結局私は上手くつれなくて、芳乃ちゃんのケーキを私が作ったってみんなに自慢してやりました。」


今回は・・親戚・家族のスピーチが特徴的でした。
新郎の叔父?「・・・・じゃ」と説教調の言葉を繰り返す話法が笑を誘います。
新郎姉・・・聡明なお姉さんの暖かい喜びが伝わってきます。とともに、結婚生活先輩として至言も披露。

新婦幼馴染「小さい頃芳乃ちゃんとよく遊んだ。彼女はあの頃からケーキつくりが好きで、粘土で出来た、ケーキを私にくれて”食べて”って。私は”こんなの食べれるわけないでしょ!”・・・すると彼女は泣き出して・・・周りから見ると私がいじめているみたいでばつが悪かった(^^;・・・その後は、粘土を小麦粉に変えて、今日のケーキはとっても美味しい」
※新婦のケーキつくりの原型が披露されました。
 ホント、ケーキ美味しかった。ほっぺが落ちる・・とはこういうときに使う言葉だよ(^O^)


余興:ピンクレディ「ペッパー警部」 楽しい母親:秋山さん
当初、2人でフリ付けの予定でしたが、相方(先生)が降りてしまって・・・
一人舞台となりましたが・・・華麗な動きに皆ノリノリで手拍子と歌を歌いました(ただ、20代は歌詞を知らなかったみたい)


新婦感謝の手紙:家族想いの彼女の人柄が滲み出ます。
新郎父謝辞:最初に「田村正和です」と自己紹介して大爆笑・・・・
新郎挨拶:ユーモアも交えながらこれからもお願いします・・


万歳三唱:新郎の会長
「彼=新郎:田口君に新プロジェクトを任せることにしました。そのプロジェクトとは、先生ロボットを作り話し方教室を全国展開する・・・。このロボットは少し気が荒いが・・・このプロジェクトで大きな利益を上げて欲しい・・それでは・・・バンザ〜イ、〃」

バンザイ三唱等はこれまでになかったですが、なかなか場に合っていたと思われました。
”少し気の荒いロボット”とは先生を端的に表現しているに聞こえて大爆笑でした。



新郎新婦退場・・・・

【感想】
最初硬い雰囲気。歓談の時間当たりから笑が絶えない打ち解けたものになってきて・・・こういう変化が、とても楽しいものになりました。
これまでの新郎・新婦のスピーチを題材にした祝辞がふんだんに盛り込まれて、それぞれのスピーチが楽しめたのとともに、オムニバス形式の物語が出来上がりました。・・・大いに楽しめました。

新婦自家製のケーキは大変美味しかったのですが、親戚役島本氏のサンドイッチ、こちらも美味しくそして打ち解けた雰囲気に一役かってくれました。

見学者の2人は、途中から「模擬ではなくて本物のような、そんな錯覚に陥った。」と。
新郎に向かって
「この幸せ者が!」と声をかける友人役たちは、完全に本気モードだったようにも見えました(^^・・・というか、私がそんな気分だった。

この雰囲気をつくった一番の功労者は司会者4名の方々です。
スムーズな運営、途中、笑をとり拍手を促し、スピーチに対しては一口コメント・・・
さすがでした。


17 叱られたのが新鮮で・・・
第22回スピーチコンテストは18名出場。22回中、最多となりました。
その中かから1話紹介です。

中森旬二氏
「話し方を学ぶまえに聞き方を学ぼう」
私は、教室最初の日(体験教室)に1時間遅刻してきた。そのこともあって・・・・・人のスピーチを聞いていて2〜3分すると先生から「ちょっと待って・・・・この教室では足を組むことは禁止しています」と。それから2〜3分して今度は「腕を組むことは・・・・」と同様に注意された。話し手が威圧感を感じないように・・・という配慮ということだった。
なんで、体験教室でこんなに叱れなくはならないんだ、と不満に思っていた。・・・・・自分の話す番が回ってきた。前に立つと、みんなが暖かく聞いてくれた。これはとても話しやすかった。先ほど受けた注意の意味がよく納得できたのだ。そして、この教室で学ぼうと決めたのだった。

初日の体験談に絞り、具体的に分かりやすかった。そして、先生が注意をしている姿が目に浮かんだ。
最初に学んだこと「聞き方」・・・主題もはっきりしている。
これは先生の奨励するスピーチ形式でもある。
「叱られたことが新鮮味だった。」とエピソードもユニーク。
模範的(といっても真似できるものではありませんが・・・)だと思えた。

気付いた点を2点。
・「この教室には話すのが得意な人もいるのですが、私のように苦手な者の方が大半で・・・・・」というフレーズがありました。しかし、中森氏を知っている人は話が上手い。と思っている人が大半のはずです。
聞き手としては”それは違う”と思ってしまうかもしれません。

・先週(第11回)の自由題スピーチ。ここでのエピソードもこの話しでした。
先生
「第11回の自由題スピーチはコンテストの予行としてスピーチをしてもよい。 利点は・・・聞き手の反応を確かめることが出来る。そして、アドバイスを受けることも可能。・・・・・・・難点は、ネタばれ。」
私の知る範囲ではこの方法をとった人が受賞していない。どうも難点の方が大きいのかな?と最近思ったりする



16 段取り上手の第1歩
昨日は、トーク会が催された。第2回(第1回は私が参加していない(>_<)
この会は主に修了生が練習する場、という位置づけで、8割が修了生で占められた。私もここではみんなと同じ立場で楽しめた(普段の教室では私はお手伝いであり、ちょっと楽しむ立場とは違ったりする)

ベテランが多いからかどうか、面白いスピーチ、印象的なスピーチ、意外性のスピーチ・・・・の連続で時間を忘れてしまいそうだった。

その中から1話紹介したい。
天田元也氏
「自分なりのキーワードを見つけた」
先日、尊敬する先輩から座右の銘を教えてもらった。”それは効果的か?”行動の前に一呼吸おいてそれを自問してみる。とのこと。 今朝、仕事で普通にやれば1週間かかるだろう仕事(書類の処置・調べ物)を命じられた。これは参った。これまでの私だったら、片っ端から書類を処置していくのだったけど、今回は・・”それは効果的か?”と自問した。そして、方法を変えた。書類の束を仕分けることから始めた。
1 人に任せる 
2 メールで処置する 
3 電話で処置する 
4調べる必要あり。 
こんな風に書類に付箋紙をつけていった。・・・これが功を奏した。お陰で今日は、7時に仕事を終えることが出来、こうしてトーク会に参加できました。




トーク会に来ることが出来た。とタイムリーなオチになり、場にピッタリときた。
参加者のコメントも、”自分も仕事で困ることがあって・・今の話はとても役に立ちます”とお礼の弁だった。
行間に自信を見てとれ、そして、爽快感のあるスピーチとして印象に残っています。

・・・気付いた点を2点あえてあげるのですが・・・・
1 主題は、もっと”ズバリ”の方がすっきりしたようにも思えます。
 ・ 行動前に自分に問い直そう!
 ・ 一呼吸おいて考えよう”それは効果的か?”


2 構成(仕事のエピソードから入るともっと印象的になった気がするのです・・・)
 
 「今朝、どっかりと仕事をもらってしまいました。普通だと1週間もかかりそうな分量を・・・・”それも今日中に処置しろ!と(T_T)。”今日はトーク会の日。絶対に7時までには終わらせたかった。これまでの僕なら、闇雲に書類に取り組んでいただろう。しかし、先輩の言葉を思い出した”それは効果的か?”一呼吸おいて考えた・・・そうだ、書類を仕分けることから始めよう・・・・お陰で、今この場に立って話しています。


15 負け惜しみを誘う披露宴

4月16日模擬披露宴が実施された。
このクラスはも模擬面接、ディベート、と全て実施した、ということで活発さをうかがわせます。

今回の模擬披露宴の様子を追ってみます。

1 司会挨拶
2 新郎新婦入場
3 主賓祝辞
4 上司祝辞乾杯
5 ケーキ入刀
6 同僚・先輩・後輩祝辞
7 コント
8 デュエット風合唱
9 新婦父挨拶
10 新郎母挨拶
11 新婦お礼
12 新郎お礼

職場結婚という設定でした。
美男美女カップルという話を聞いていましたが・・・・
その通りでした(^^)

特長
キーボード・ビデオカメラ
節目節目にキーボード音楽が・・・・音ともにメカを見せてくれました。


先生 デュエット
「乾杯」1番は2人でデュエット、2番はみんなで歌いました。
先生、楽しんでたでしょ?
「恋人で〜す」と、生き生きと見えたのは私だけだったでしょうか?




感想

1 コント コント
新郎と友人でのコント。
何度も馬鹿笑いしてしまいました。
「お前女役をやれ」・・・・
温泉に新婚旅行にいって・・・

2 友人祝辞
新婦友人「高校時代新婦はマドンナ的存在だった。僕にとっても憧れだった。弓道では僕は的を射るのは得意だったけど・・・女性のハートは新郎に負けた(>_<)」
新郎友人「マジック部で新郎がこれが出来なかったから廃部した。(といいながら紙をお札にするマジックを披露)マジックでは僕の方がずっと上だったのに・・・・・」

負け惜しみっぽい友人がユーモラスでした。


3 爆弾発言
「僕はこの場で、祝辞をするのに一番相応しくないかもしれません。なぜなら、新婦の彼女と付き合っていたから・・・。彼女は誠実な人です。そして、僕にもそれを求められた。しかし、それは出来なかった。・・・・・ある日、彼女の携帯に彼=新郎の履歴を見つけて・・・彼を呼び出して、結果的に殴りあいになったけれど、かれはガンジー主義、非暴力非服従を貫いた。いくら僕が殴っても・・・負けたと思った。・・・・今日にて退社することにします。」

見学者の感想「模擬披露宴ならではのキワドイスピーチがありましたが・・・・」
とこのキワドイというより爆弾発言は・・・やっぱり印象が強かったです。


4 ご両親
暖かさが伝わってくるスピーチでした。

見学者「私も娘がいて・・ちょっとウルウルときてしまいました」との発言も

一点参加者一同
「幸せになってください」という感じの話し方が何度かありましたが、
親から子にということなら
「幸せになるんだぞ!なれよ!なってね!」
という感じの方が自然ぽいかな?と・・・・・・・・・


4 司会の締め
「新婚旅行ですが、先ほどのコントにありましたように、明日から温泉です。」

ストーリーが結びつきそれが面白かったです。


14 スピーチを推理ドラマ風に
第7回はテーマに選択肢が多い「困ったこと、頭にきたこと、大変だったこと、人生で一番だったこと」
今回の教室スピーチ、面白いと何度も思わされたです。

中山貴則氏
僕が頭に来たのではないけど・・・・
友人の話です。駐車場にバイクをとめた。帰ってくると、傷がついていた。管理人そのことを問うと「気がつかなかった」との返事。・・・・・近くで寝泊りしている浮浪者の方がいた。そして、目撃していた。・・・傷つけたのは管理人だよ。一緒に倒れたバイクを起こしたんだから、間違いないって・・・・・。友人は、管理人室へ引き返す。さっきの管理人は帰ってもういなかったけど・・・責任者から、弁償代を受け取った。

浮浪者の目撃者、犯人は一番身近な管理人。とスピーチは、推理ドラマのように展開しました。
後に残った印象が、ワクワクしながら聞いていた。”犯人が分かって、弁償を受けることが出来てよかったね。”
そんな爽快感が・・・・・。
主題は、”浮浪者さん、ありがとう” という感じなるのかな?


13 付け加えの一言が印象を深める
「12」と同じく「泣いたこと」をテーマにしたスピーチをもう一本紹介します。
寺田久義氏(和歌山出身・3年前に転勤で上京している。大の阪神ファン)
「今年2月、付き合っていた彼女と別れた。彼女は大阪、僕は東京。遠距離だった。きっかけは一昨年の阪神タイガースの優勝パレード。同級生の彼女とそこで再会した。付き合いが始まった。
彼女が東京に来たこともあった。僕が大阪へ帰ったことも・・真ん中の岐阜でも・・・・。しかし、2年目、お互いに無理をしていることが見えてきてしまった。彼女は気丈な性格なのでそのことを口には出さなかったけど・・・。結局無理は続かなかった。あの時は納得したつもりだったけど、今になって失ったものの大きさを思い知らされている。・・・・・・」

状況は分かりやすかった。そして、「泣いたこと」のテーマに沿っている。ただ、印象深いとまでは思っていなかった。
・・・・・授業が終わってから彼と話す機会があった。
寺田「スピーチ、最後に一言を付け足すのを忘れてしまった。」
池本「どんな言葉?」
寺田「あの年、タイガースが優勝していなければ・・・・・・」

この一言は私の印象を大きく深めた。
「あの年、タイガースが優勝しなければ、彼女と出会うことも無かった。そうすれば、今の心が痛む思いも知らずに済んだ・・・」全部言うとこういうことになる。
阪神大好きのオーラを常に発している彼にして、この言葉を口にしてしまう。
それほど、今度の別れは痛かった、いや、今も痛い。
・・・・最後の一言は、このスピーチを生き文にする。
主題=(最初と最後に話す)にすればなおよかった(そこは惜しかったかな(>_<)。・・・・そんな印象を受けた。


12 泣いた思い出も振り返ると暖かい
第6回の授業はテーマが「事件・事故・泣いたこと」と3つから選ぶことになり、比較的話しやすいのではないか、と5回と比べてそんな風に思ったりする。そして、意外性や悲しみが伝わってくるスピーチに出会う。

早川芳乃さん
「中学生の時の泣いた話です。母が手術・入院しました。後で知りましたが癌だったのです。朝出かけたときのものの位置が帰ったときも全く同じ。それが切なかった。毎日母を見舞いに行った。それは世話をしにいくというより私が母に会いたかったからというのが実態です。会っているときは笑顔でいれたけど部屋を出るときは涙がたまってきてしまいました。/入院中は父も精一杯助けてくれたし、家族の絆が深まりました。父も姉も大好きです。」

話の終わり方が明るかったので、お母さんは無事に退院できたように感じました。(それは当たっていたのですが・・・)
お母さんを心配し、一方で心細く感じる。そして、お父さんもお母さんも大好きなの、そんな気持ちが伝わってくる温まる話しでした。

このスピーチ「主題」をどうすればよかったでしょうか?
「母の入院で家族の絆を再認識できた」等になるでしょうか?



斉田徳一郎氏
「犬を飼っていた。近所でも可愛がられていて、道ですれ違ったときとか、僕には何も言わないで、犬には”コンニチハ”とか挨拶してくれる人も多かった。・・でも、残念だけど、、年をとってきてヨボヨボになってきた。カラスに狙われたり・・・それは可愛そうだから、玄関に入れて飼った。そこに寝かせて、ぼくはその廊下で寝た。・・・・今、庭にはその墓がある。3万円で買った墓石の下に眠っている。」

飼い犬をとても可愛がっている様子が、スーと伝わってきました。
犬の寿命は人間に比べれば、非常に短い。このような別れは、必然的とも言えるけれど・・・・そんな悲しい思い出も、実はいい思い出、人生を豊かにするものだと、私はそう思っている。


11 難しい課題を具体的に
第5回の授業、課題は「挨拶を励行して」である。この課題を”一番難しい”思う受講生は多いようだ。そのような意見をよく聞く。ちなみに私も現役生の時にはそう感じだ。
しかし、そういった中でも、聞かせるスピーチは多い。そういうものを掘り起こしていきたい。

四宮美代子さん

【声を出して挨拶をしたら意識が変わった】
「この1ヶ月は挨拶月間、今まで以上に挨拶をしなければ・・・という意識は強かった。私は”恥ずかしい・怖い”という気持ちがあって大きな声で挨拶することは大の苦手だった。

 職場では部署は別だけど席が背中合わせになっている同僚がいた。ただ、挨拶は交わしていなかった。背中向きだと、大きめの声で挨拶しないと声が届かないから・・・・。ところが、ある日、相手から挨拶をしてきた。こちらからも挨拶を返していい雰囲気になったのだけど、これは数日しか続かなかった。・・・・挨拶月間を迎えてのはそんな頃だった。

 思い切って大き目の声で後ろの同僚に挨拶をした。彼女も返してくれた。このときの挨拶は次につながった。それからは雑談とかできるようになったのだ。」


大き目の声を出すのが恥ずかしい、怖い・・・私は声の大きめの人間ですが、共感しました。確かに気恥ずかしい。
そこから、その同僚との雑談に至るまでの経緯とが分かりやすく、そして、そのときの感情が伝わってきました。

映像イメージとしての描写と意識の変化が印象に残るスピーチでした。


10 「上手い」からの脱皮を目指して・・・

第21回スピーチコンテスト優秀賞
中元朋絵さん
【コミュニュケーションの土台は信頼関係】
私は新人の研修トレーナーをしている。研修後にアンケ中元さん受賞感想ートをとる。そこに、「何を言いたいのか良く分からない」という記載があった。これはショックだった。それからというもの人前で話すことに臆病になってしまった。研修生に分かる話しをするのが目的ではなく、自分がうまく話せるのが目的のように・・・。これではいけない、と話し方教室の門をたたくことに・・・どこにしようか?久保先生に、問い合わせのメールを送った。・・先生はこの短いメールに長い返事をくれた。・・この先生は信頼できる人だ。私はこの教室に決めた。
ここで学んで、私は自分が一方的に話すのではなく、相手のことを理解することが大切だと気付いた。そして、心がけた。コミュニケーションでは信頼が大切だと思える。なぜならもしいい話をしても、その話し手に信頼が無ければ、その話は伝わらないから・・・


懇親会で周りの人から入れ替わり、「上手い」と賞賛されたスピーチです。
エピソードが分かりやすくちりばめられていて、それが印象的でした。
「何を言いたいのか良く分からない」アンケートを見てショックだった。
「研修でつたえることが目的ではなく、上手く話すことが目的になってしまった」
「短いメールの長い返事がもらえて・・」・・・・・・

ただ、ここではあえて気付いた点をあげていきます。
上記にあげたように、出だしのエピソードは、ここへ来る動機が分かりやすく、具体的です。
後半「信頼」の話題になったときがやや抽象的なった感がありました。
想像を含めて【原稿案】を書かせてもらいますが・・・

「先生は長い返事をくれた。まだ会ったことの無い私に、時間を割いてくれた。その誠意が嬉しかった。」
長い返事は信頼、というより誠意の方がニュアンス的に大きいかと・・・・

「教室で先生は、私たち一人一人のスピーチに向き合ってくれた。たくさん質問をし理解しようと。ここを直したほうが良い、とコメントを頂いた。私はもっと学びたいと心地よさを覚え、意欲を倍加させた。そして、気付いた、教える立場の者が相手を理解しようとする姿勢が、学びの場では大切なのだと、それが信頼を得ることに繋がるのだと。
一方的に伝えることばかり考えてきたけど、これからは相手を理解する姿勢を忘れないで、臨もう。」

主題は明快でありましたが、あえて言えば「信頼関係」という言葉は一般的・抽象的意味合いがあります。
一般的というのは、よく言われること、との意味合いであります。
「信頼が大切」だれも否定しないこの言葉は逆に言えば、聞いても印象には残りにくい、ということです。

抽象的・・・「信頼」の言葉では意味合いが広くてイメージが湧きにくい。
ここは「相手を理解しようとする姿勢」を前面に出したほうが印象が強いかもしれません。
主題案「相手を理解しようとする姿勢が対話の土台」

ご本人の希望もあったのですが、辛口に書いてしまいましたm(_ _)m




修了式での感想
「1度目の教室で先生から”そつの無いスピーチ”と評されました。・・硬いイメージみたいで、私はそれから脱皮したいんです」

受賞感想
「いやらしいですけど、私は受賞を狙っていました。それは受賞すると先生が長〜いスピーチ講評を書いてくれるから。私はそれが読みたいんです。」

これらの感想、印象的で面白く、そしてピリッとからかった。
綺麗にまとめる、ということより、素朴に気持ちを表した言葉、そんな風に感じました。
それは、共感を得ることが多い。
そつの無い硬い印象のスピーチからの脱皮を図る、という趣旨なら、修了感想を出だしに使うのも有力だったかもしれません。

受賞を狙うことはいやらしいことではありません。そういうことに執着が無い人もいますが・・・
受賞を目指す人がいて、コンテストが成り立つ。自然な感情であり、意欲であるといえます。
謙遜態度を表すなら「生意気ですけど」とかの言葉があったかもしれません。



9 チャンスに突っ込もう!

最近教室でははディベートを実施することが多くなった。
「初めて」という人がもちろん多い。そういった中で、今回印象的なやりとりがあったので、それを紹介してみたい。

論題「本当に思っていない事でも誉めるのは良い」
結果は2対3で、YES側の勝ちになった。

終了後
先生「どうして、YES側の勝ちなの?YES側は利敵行為の意見が飛び交っていたじゃないの?」
Aさん(その試合のの判定をした人の一人)
「YES側が相手の質問に一つ一つ反論していたのに対し、NO側は反論しなかった場面が何度かあったから」


私も当初先生と同意見であったが、Aさんの意見に「ナルホド確かにそうだったな」と説得力を感じた。
そのときの討論の様子を振り返ってみよう。

討論中・・・・・
Bさん(YES側)「相手の良いところを見つけて誉めるのが良いことなのです。」ディベート中
この意見を計3度述べた。(実は利敵行為)

このときのNO側の反応
1 苦笑い
2 「それは私たちの同じ意見ですね。結構なことです」
3 ・・・沈黙・・・・

確かにこの応酬では、Aさんの解釈が当てはまります。

NO側にとってこの場は好機。反論して得点を稼ぐチャンスだったのです。
反論例
「今回の論題は誉めることの良し悪しを論じているのではありません。”誉めることは良い”は前提として、「本当に思っていないこと」を誉めるかどうかが論点なのです。”相手の良いところを見つけて誉めるべき”、というのは”本当に思っていることを誉めるべき”という意味であり、我々NO側の主張なのです。つまりあなたの論はYES側としては成り立たない。」


「チャンス=突込みどころ」を逃してしまうと、逆に失点になる。
「チャンスの後にピンチあり」(野球格言)
「無理が通れば道理が引っ込む」
これらの格言を思い出してしまった。

”相手のミスにつけこむ”・・・・・気が引けるというのもあるだろう(日常なら美徳かもしれない)が、
ことディベートにおいては、以下が定理だと言える。(今回の教訓)
・遠慮は最大の敵
・黙っていては分かってもらえない


8 重い空気は共感より・・


17年2月コンテスト最優秀賞スピーチより

久井和則氏
【出会えてよかった】
僕は会話が苦手だった。そして、この教室へ来た。でも、苦手意識は克服できなかった。途中、メーリングリスをつくったりして多くの人にメールを出して頑張ったつもりだ。
しかし、やはりメールは話とは違う。やっぱり会話は苦手・苦痛。いつも辞めたいと思っていた。でも真剣に僕に向き合ってくれる人がいた。ここで辞めるとその人を裏切ることになる。こう思って踏みとどまることが出来た。ここで学んだことは、素直に感じたことを表現することの大切さ、自分をさらけ出すことの中に感動があるということ。
 久保先生、感謝しています。

久井氏
久井氏がところどころで”フー”と息継ぎをする場面があり、”本当に話すのが苦手だ”と見える。それがこの話の説得力を増させた。
スピーチ中、空気は重く張り詰めていた。それは悪い雰囲気ではなく、皆がその苦手意識と踏みとどまる努力に共感した空気なのだ。
 
 スピーチの最後に相手とは久保先生のことだと分かる構成になっていた。

スピーチ直後、先生を見ると・・・グチャグチャな泣き顔だった。次の出場者を呼ぶ時も泣き声であった。普段から泣き虫先生だけど、こんなに長い時間、そしてグチャグチャに泣いたているのを見たのは初めてだった。


思い出した言葉2つとドラマのシーン1つ。


先生
「私は笑わせるスピーチを奨励しているけど、人を泣かせるスピーチというのは最高だと言えると思っています。」

先輩修了生坂下さん
「感動系のスピーチというのはコンテストでも一番人気なんだよね。」


(今回、お笑い系の優れたスピーチもあったのですが、それを凌いで堂々の1位。2つの言葉に説得力が増します)


ドラマ「ポニーテールは振り向かない」(第3話「男の決闘」)より
2人のピアニストが女性をめぐって決闘した。ピアノ演奏で・・・・
1人目(ケント・ギルバート)の演奏が終わったとき拍手と歓声の嵐だった。手ごたえ十分。
2人目(松村雄樹)の演奏が終わった後、拍手も歓声もない・・沈黙・・・・・・。
松村「そうか俺の負けか!」と去ろうとしたとき
ケント「そうではない。僕の負けだ。」
聴衆は皆涙していた。・・・・その涙にケントは負けを認めたのだった。

打ち上げの時間に
「久井君、先生を泣かせるために緻密に計算されたスピーチだったのでは?」と質問したが、冗談である。

久井氏のスピーチは計算されたものとは見えなかった。率直な表現が感動系の極みであったとも言える。


7 戦い済んで後は仲良く

11月生主催でディベート大会が催された。(参加16名)
授業に使っている会議室が午前中空いていることが判明したため、”有効活用しよう”というのがきっかけだ。
10時から12時半まで、ということで2回執り行われることになった。

9時過ぎから集まりだして打ち合わせ、と会場準備(机を動かす、名札の作成等々)をする。
くじでチームを分けをし、1回戦の5名5名の組が決まる。
作戦タイム
10時開始。
前座:コント3部作1)
侍2人
「おのれ、我が主君の仇」
「何を言う返り討ちよ」
・・決着がつかない・・・
「ディベートで決着をつけよう」
・・・テレポーション・・・
「ここはディベート会場」
「覚悟しておけ・・」・・おのおの席に着く。



競技説明(5分)

1回戦 論題「男と女では女のほうが強い」
YES側 兎チーム5名(内女性1名)
NO側  猿チーム5名(内女性2名)が対面して席に着く。

1 作戦タイム7分(YES側は女が強い理由を各人思いつくままにあげそれを整理する。NO側はその反対)
2 立論 各チーム代表者1名による演説
     YES側 3分 「男と女では女の方が強いと考えます。なぜなら1・2・3・4・・・」 
     NO側  3分「男の方が強いに決まっているじゃないですか!なぜなら・・・」
3 相互尋問(前半)10分・・・・お互いに相手の立論を踏まえて、反論を試み、相手の反論に答える。
                 (挙手により発言)
4 作戦タイム 5分
5 相互尋問(後半) 15分
6 作戦タイム3分
7 結論 各チーム代表者1名による演説 各3分

判定 (この回の判定員3名)


【経緯】
競技前には、「女が強いに決まっているじゃないですか!」といつも火傷をしている深川氏は持論を展開しましたが、今回は判定員で、意見を述べる機会はない(本音はそう思っている人が多かったみたい(^^)。

女派 
女性が強い・・1 生命力が強い(平均寿命から見ても明らか)。2 精神力が強い(失恋しても立ち直りが男より早いよ)。3 痛みに強い。(出産の痛みに耐えられるのは女性であるが故)・・・・・・・

男派・・・・1 体力・腕力が強い。 2 論理に強い(女性は感情的だ) 3 会社で重要や役を占めるのはほとんど男、政治家の数も圧倒的。4 その道(美容師・料理等々)を極めるのはたいてい男だ
立論

女の強いところ、男の強いところ、立論で主張されたところで、相手の理由付けを崩し、「自分の側の強いところの方がより重要である」と主張することが争点となる。

男派 寿命は確かに女の方が長い。それに自殺者も少ない。しかし、それは男の環境が厳しいからなのだ。それだけ強いといえる。

女派 会社での地位が高い・・・そんなことは人間としては枝葉だ。重要な幹は”生きること、”生命をつなぐこと”これらの点において女の方が圧倒的に強いのである。


判定
YES側 1
NO側  2

NO側勝利


【感想】
私は司会者として参加していたが、男派が発言するとそちらに納得し、女派が発言するとそちらの気になり、ふらふらとどちらにも賛同していました。(そういうふらふらした気分を楽しんでいる)





2回戦 論題「電車の中で化粧をしてもよい」

YES側 クマチーム 5名(内女性2名)
NO側  カバチーム 5名(内女性2名)

競技進行は1回戦と同じ

【経緯】
YES側立論
電車の中で化粧をするのは時間を節約する観点から、合理的・効率的である。また、化粧をして綺麗になっていくさまを見るのも面白い。

NO側立論
見ていて不愉快になる、迷惑な行為=マナー・常識知らずなのである。人前で平気で化粧できる神経は、前頭葉に異常があるとも言われている。グローバルスタンダードの観点から、この行為は娼婦として見られる。




YES側 相互尋問・結論
化粧は人に迷惑をかける行為ではない。不快に思う人は個人的にそう思っているのであって、それは個人の勝手なのである。グローバルスタンダードは一部の外国の価値観だ。


NO側 相互尋問・結論
公共の場で化粧などをされると、不快に思う人が多数いる・・常識・マナー違反だからだ。物理的迷惑にならないからといって何をやってもいいということにはならない。


判定
YES側 3
NO側  2
余興(コント)
YES側勝利


【感想】
私=池本もYES側として参戦しました。本音はNOなのですが・・・・・(司会が多かったので参戦は久々です)
相手側には本音はYESなのだけど・・・という深川氏がおり、お互い本音と反対で主張するのが面白かった。
ただ、競技中は”化粧をしてもよい”と本当に思えてきました。




1回戦・2回戦通じてですが、笑いあり、頷きあり、で楽しい時間をすごせたと充実感がありました。



【余興(コント)フィナーレ】
侍2人
「お主なかなかいいセンスをしておるな」
「いやいやお主こそ」
・・・・・・
「ディベートも終わったことだし仲直りじゃ」と肩を組む

(ディベートは時としてけんか腰になる、競技が終わったら仲良く・・ディベートの心がけにピッタリですね)


6 絞った1点に肉付けする

「エピソード・話題は一つに絞りなさい」先生が繰り返し注意すること。
私には大変新鮮だった。・・・・・・・

このことを講義で習うのは第2回の授業。
個人的なことですが、私は第2回だけは欠席、1ヵ月後に補講を受けた。それで、このことを強調される理由がよく納得行った。

「二兎を追うもの一兎も得ず」有名な格言ですが、スピーチにはこれは当てはまると言える。(もっともゼロという意味ではなくて2つ話すことによってそれぞれのエピソードが半分以下の印象になてしまう、ということなのですが・・・)

なぜ、こうなるのか?エピソード同士で聞き手の記憶が打ち消しあってしまうのだろう。
それと、3分間スピーチを基準として・・・
エピソードは具体的な描写でイメージされればそれだけ印象深くなる。
・・・その場での「数字」「景色」「会話」「気持ち」それらを描写していくとなると、それなりに時間をく食う。
エピソードを2つ述べようとするとそこが中途半端になってしまう。
では、3分を無視して長時間話せば・・・・それなりに楽しいスピーチになることもある。が、長い話になると聞き手が飽きてきてしまう、ことが多い。
そういった意味では、5分以上話して聴衆が集中して聞いているのはそれだけ面白い話しであると言えるが・・・。


こういったことが講義で話され、折に触れて注意されるが・・・・
話題が2つ以上になってしまうスピーチは多い。
なぜ、そうなってしまうのか?

ここが話し手と聞き手の立場の違いなのである。
聞き手としては上記に記したような立場・心理なのであるが、話し手としては・・・・
一つの話題を話しているとき(スピーチ準備を含む)からは関連するさまざまなことを思い出してくる。それを話したくなるのだ。「あんなこともあった。こんなこともあった・・・・」

私自身の失敗を・・・・
課題「好きな○○」
「小さい頃は家の近くで遊ぶことになる。空き地、田んぼ、川原、小学校運動場。あの頃から30年近く経つ。たまに実家に帰るとそういう場所がほとんどなくなっていることに気づく。しかし、2つだけ残っている場所があった。西福寺、八幡神社。西福寺は・・・八幡神社は・・・。今も昔と変わらない景色が好きだ、というお話しでした。」

このときの先生のコメント。
「100畳の部屋というのは具体的描写で分かりやすかったですね。好きな場所が2つ出てきましたね。西福寺の方は少し分かりましたが、八番神社の話しはほとんどする時間がありませんでしたね。ここはやはりどちらかに絞る必要があります。」

言われ見ればそうだった。八幡神社は省いて、寺で遊んだ想い出に肉付けする方が話しが分かりやすくなったと思えた。話してとしては私は西福寺・八幡神社と言うだけでそのとき遊んだ景色を思い描いていた。しかし、具体的に述べなければ聞き手にそれは伝わらない、と反省した。

 教室ではコメントが入るスピーチは10回(合同講義の2度はコメント無し)。このときのスピーチが一番具体的反省として記憶にとどめている。


【蛇足】
あるクラスで、「落ち込んだときに聴く曲、を各人1局ずつ挙げて、それをCDにしよう!」という企画があった。
そのとき、みんな1曲ずつ選んで挙げたのに・・・・
先生だけは、「1曲に絞れない。」と3曲挙げた。
ある受講生「先生、普段僕たちに一つに絞れ!て口をすっぱくしているじゃないですか!」
先生「言われてしまった・・・・」

こんなところが先生の人間らしいところなのですが・・・・


5 漫才とボクシングを組み合わせて・・・(模擬披露宴レポート)

3ヶ月ぶりに模擬披露宴が実施された。(先月、先々月は同じ時間にディベートを行ったので・・・)
実施者は平成16年11月生の模擬披露宴だった。

平成17年最初の模擬披露宴は奇抜な導入から引き込まれて笑声と「ホー!」の関心の声がこだまする宴となった。

プログラム
 1 司会者登場(三次、三好氏)
 2 新郎新婦入場(山上 忠  赤鈴幸世)
 3 開宴の辞(司会)
 4 新郎側主賓(新郎新婦勤め先所長)祝辞(稲盛氏)
 5 新婦側主賓 新婦上司祝辞(岡林さん)
 6 ケーキカット
 7 乾杯(河村氏)
 8 新郎先輩祝辞 (平山氏)
 9 新郎同僚祝辞 (山村氏)
10 新婦同僚祝辞 (渡瀬さん)
11 新郎友人祝辞 (村外氏)
12 新婦友人祝辞 (深山氏)
13 新婦友人祝辞 (金村さん)
14 新郎友人祝辞 (早瀬氏)
15 新郎弟祝辞  (中道氏)
16 新婦兄祝辞  (乙谷氏)
17 新婦感謝の手紙
18 新郎お礼
19 新郎新婦退場

【レポート】
最初の出だしが、奇抜で笑を誘った。漫才師司会
稲盛氏「新郎の高校の同級生が売れっ子の漫才師となっています。呼んでみましょう・・・・」
同級生漫才師登場
三次「同級生だった山上が今度結婚するらしいぞ・・・お前知ってか?」
三好「・・・・・・」
三次「でも、司会を頼むと言ってたけどあれから連絡がない。・・・・・・」
三好「そういえば、事務所に手紙が来ていたみたいだね。(ポケットを探る)あった。・・披露宴の司会をお願いします。日にちは1月23日・・・」
三次「今日じゃないか、どうするんだ!」
三好「大丈夫だ・・・テレポーション」
三次「ここはどこだ?披露宴会場か!」
三好「では、披露宴を始めよう・・新郎新婦の入場です」

音楽に乗って新郎新婦入場。
司会「新郎新婦紹介」・・・・以下 ストーリー

 新郎山上は学生時代ボクシングで鍛えていた。トルコ滞在中、旅行に来ていた稲盛会計事務所所長が絡まれているのを助ける。それが縁で稲盛会計事務所に中途入社することになった。

 新婦も同じく会計事務所で働いている。部署は違うが・・・職場結婚。
 新婦上司は岡林女史、新郎山上とは同期である。山上は岡林女史たち女性社員から人気があったが、そちらは目もくれずに・・・だった。


 新郎の特技はなんと言ってもボクシング。それに正義感が強い。所長の稲盛同参加者一同様、からまれているところを助けたことが多く、祝辞を述べた友人はそんな人が多かった。
 
 ボクシングの後輩に強くて有望な矢守氏がいた。
 「ボクサーとしての真の勝者とは・・引退した後の人生で決まる。」との名言を残したが・・・
 その後輩にノックアウトを食らい、ボクサーの道を断念している。(一般の社会人として生きることを決意する)


 新婦はにこやかでおしとやかな女性だが・・・客からの無理な要求(税の不正)等には毅然として断る、・・・寝坊でだらしない友人にはクッションを投げつける。そんなはっきりした気性でもあった。


【感想】
今回の模擬披露宴、一番の特徴は出だし・・・同級生の漫才師が登場、テレポーションで披露宴会場に現れるという設定。最初の漫才で大笑いし、その奇抜な出だしに引き込まれた。

もう一点が、ボクシング。正義感の強い新郎が悪漢から人を助けそれが友人となっていくという話しが特徴でした。


【創作】
2人は職場結婚ということでした。どんな出会いのドラマが似合うのかな?みんなの祝辞を思い出すと想像が膨らんできてしまいます・・・・・・


幸代は勤務2年目だったが仕事がしっかりしていた。そこで何社かを担当として受け付けていた。その中に・・・税の不正を要求する社長がいた。はっきりと断る幸代だったが・・・・・
その社長は大声で怒り始めた・・その迫力に周りの社員はとっさに動けなかった。
大声を聞きつけて上の階からから駆け下りてきたのが、忠だった。
忠は大声を出したり、手を出したりはしていない。
しかし、忠には相手の威圧に動じない迫力があった。
それに押されてその社長は退散した。

忠「君は正しい。よく頑張ったね!」と一言だけ述べ記念写真
「後は頼む」と部長の岡林(幸世の上司)に目配せして去った。・・でしゃばるのは岡林に迷惑だと思ったのだ。
幸代はあっという間に去っていった忠に憧れを抱いた。

幸代「あの方はどなたなんですか?」
岡林「人事課の山上君。私の同期だけど中途入社でね。昇任は私よりは遅いんだけど、人間としては尊敬できるところが多いわね!」

幸代はお礼をと思ったが、それが切り出せないでいた。
2ヵ月後のバレンタインデーにやっとチョコを贈った。
山上に贈る女性社員は多かったが、幸代にだけお返しがきた。・・・それが付き合いの始まりだった。

なーんて想像してしまいました。




4 アガリによるマイナスは小さい

教室が修了しても補講が残っている場合がある。その一人、安西喜子さんが補講にやってきた。

コンテスト出場前、彼女は補講がたくさん残っている=欠席した授業が3度程あるから・・・
安西「コンテストはまた次の機会に」と出場に躊躇していた。

池本「コンテストは一緒に学んだ同月生と一緒に出場して、修了する。これが一番ですよ。1ヶ月、2ヶ月遅らせると一緒に修了を迎えるのは、別のクラスの人たち。それは寂しいものがありますよ。当日の都合がつかないのなら仕方ないですが、つくのなら是非みんなと一緒に修了を迎えてください。」
安西「でも・・・・」
私との会話で気が変わったのではないだろうが、彼女はコンテストに出場することにした。

当日
安西「普段の教室でも緊張するんですよ。このコンテストの雰囲気だとその緊張感は何倍にもなってしまう。コンテスト出場はやっぱり延期した方が良かった・・・・・」


・・・欠席した授業があるから・・・というよりも【アガル】ことが、コンテスト出場を躊躇していた理由だと私はこのとき知った。・・・・

安西 コンテストスピーチ3時間後、スピーチコンテスト結果発表の時間、3位のところで彼女の名前が呼ばれた。・・・・入賞したのだ。

本番のスピーチを思い出すと、彼女は落ち着いて見えた・・・アガッて緊張してどうしようもない・・そんなこと全く見て取れなかったのだ。・・・たぶん本人は緊張してはしていたのだろう。しかし、聴衆が見て分かることがほとんどない。それが現実である。

ここで2つのことが言えるのではないだろうか?
1 スピーチ時に激しく緊張する、といってもそれがスピーチそのものに大きくマイナスすることは無い。
2 自分がスピーチをするときの緊張感は肌というより心臓で感じてよく分かっているが、他人のスピーチはそれを見て取ることは困難。・・・つまり、自分だけが緊張するのだと錯覚に陥ってしまう。それが苦手意識を助長してしまう。


ともあれ、彼女が受賞したことは、本人にとっては自信に・・同じ悩み(アガリ)を持つ多くの受講生の希望となったであろうと容易に想像できた。

3 繰り返し言葉にするうちに主題が閃く

授業、2回目3回目はスピーチのつくり方が講義される。
  「3分間スピーチ先生講義中の形式」
1 挨拶 「こんにちは OR こんばんは」等々
2 お辞儀
3 氏名 「○○です。」
4 主題「今日は××の話しをします。
5 話題(スピーチのネタ)
6 主題(繰り返す)
7 氏名「○○でした。」
8 お礼「ありがとうございました。」
9 お辞儀


この他に「課題」というのがある。2回目の教室は「好きな××」3回目は「楽しかったこと、感動したこと」などだ。
課題は最初から分かっているのでいう必要がない。というより言わない方が締まった感じを与えてよいといえる。

「主題」・・・このスピーチを通じて言いたかったこと。気持ちや教訓。結論と言える場合もある。(20文字以内が好ましい)
例「○○があって悲しかった」「△△という教訓を得た。」「これからはこんな失敗はしないぞ」

「話題」・・・エピソード。実際の出来事、自分のしたことや気持ちを話す。

私のコンテストスピーチを例にとると・・・
「主題」・・・「初めての一等賞は恥ずかしかった」
「話題」・・・「水泳大会で他に出場者がいなくて、一人で泳いだこと。」
ということになる。

この講義を聴いたとき、ナルホドと膝を打った。
最初と最後に結論とも言える主題を持ってくること。これでスピーチが締まる。そして何が言いたいのかが明確になる、と

コンテストでも「主題」の渋いスピーチが入賞することが多い。

ただ、この主題をつけるのが難しい。
順としては、先に話題(スピーチネタ)を選ぶ(これも簡単ではないが、とりあえず自分の過去を振り返って選ぶことになるので・・・)。

そのエピソードで自分はどんな気持ちになったのか?そこから得られる教訓はないか?その出来事が自分にとってなんだったか?・・・・等々を考えていけば何か見えてくる・・・・
実際にスピーチの練習(話題を口に出してみる)していると、「そうか、このエピソードからはこんなことが言える!」と浮かんでくる。初めはシックリ来ないかもしれない。しかし、何度か繰り返すうちに、「これこそ、ピッタリ」という主題が閃いてくる。・・・・そんな期待をしつつスピーチの準備に取りかかるのも一考に値すると言えないだろうか?

2 人の薬

教室は月毎に開校する。各期の受講生の多くは自分のクラスが一番だと思う。教室最後のコンテストや修了の感想でそう述べる人がいつもいる。(もちろん私も例外ではないが・・・・)

「人の薬は人といわれますが、私はここに来ることで元気をもらいました。」修了の感想で私は述べた。平日の仕事が精神的に疲れることが多すぎたのでそれと比べてしまった。


その日のMLには次のような投稿があった。
中木美鈴さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「修了おめでとう・・・・・・・
家に帰れば話す相手はだれもいなくてパソコンやテレビがお友達。
私の休みは平日なので友達とも疎遠気味になるし。・・・・・
ルームメイトも来月から転勤で、明日引っ越してしまう。

出会いがあるから必ず別れがあるけれど、やっぱり寂しい。

話し方教室の門をたたいて、本当によかった。

支離滅裂の文になってしまいましたが、来月のスピーチコンテスト
がんばります。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は次のように返信した。
「”そんなときに教室で皆に会えた”とかを挟むと
自然につながるんじゃないかな?
そして、中木さんの言いたいこともそういうことのように感じるんだけど?」


中木
「そーだね、そーだね。そのとおり!」


彼女はスピーチコンテストの日は所要で参加できずみんなと一緒に修了できなかった。(2ヵ月後にコンテストに出場・無事修了する)
それも寂しさの一つだったかもしれない。

私の修了感想に通じるところがあるように思えてそれが嬉しかった。

1 泣き虫先生の2年戦争(1/1)

昨年11月の9月生スピーチコンテスト打ち上げ時の私の座っているテーブルでは先生のHPがサカナになっていた。
久保先生
三好「あのHPは手作り感覚というか、人間味があって親しみがもてるんです。この教室に触れるのはメールや会話ではなくてHPが一番最初ですからね。あの親しみやすさが第一印象です。
”話し方教室に行こう”と思う人はだいたいが内向的というか会話や人に苦手意識を持っている者で、最初の一歩を踏み出すのに勇気が要る。あの親しみやすさは敷居を低くして踏み出しやすい雰囲気を作っていると思うんです。」


私=池本は”ナルホドそれが先生の持ち味なんだ”と思えた。最初に「東京話し方教室HP」を見たときに感じたのはそういったものだったんだ。心で感じたことを今まで言語化できていなかった、と自覚できた。

そして、1年前になる最初の授業を思い出していた。
1年近く前になるが、授業の後半、先生は昔の出来事を題材に講義を進めていたのだが、感極まって言葉に詰まりはじめた。そして、泣き声に・・・。結局どういう出来事でそうなったのかはよく分からなかったが・・・。このときは、応援に来ていた先輩講師がスピーチをして事なきを得た。

私は先生が特別何かあったわけでもないのに泣いてしまったこと、大変印象に残ってしまった。ある面では・・・”先生らしくない”とも言えるが、その人間臭さが距離感を縮めるとも言える。

この日の夜、私は「初回の感想」と題して先生にやや長文のメールを送った。3日後に返事をもらった。
【抽出】
池本「 講義中、先生が言葉に詰まられたときがありました。 あれはあれでいいなぁと思ってしまいました。一言でいうと人間味と言うこと です。それまでよりを距離を短く感じることが出来る、といえましょうか?」
先生「お恥ずかしいばかりです。つい、昔のことを思い出してしまいました(T_T)もっと、ちゃんと話さなければ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後になって聞きいたが私の長文メールに先生は焦っていたらしい
”いい加減に返事書いてはまずいし、かといって返事書くのは難しいし・・・・”
そういうことを話してしまうところがまた人間臭いと言えるでしょうが・・・・・

この後、先生が涙を見せる(というより泣いてしまった)ことは、度々あった。
受講生の修了の感想を聞いて・・・
模擬披露宴を見ながら感動して・・・
「失敗した」言いながら(私には失敗には見えなかったんだけど)・・・・・

ちなみに先生は涙も多いが”喜怒哀楽”全てが大きい人だと言える。
そんな先生を見ながら”泣き虫先生の7年戦争”ならぬ【泣き虫先生の2年戦争】(開校から2年弱)とのフレーズが思い浮かんでしまった。

・心に残るスピーチ 心のつぶやきに言葉を ・看病で交わった本心